この記事では、タオを修練するにあたって参考になる書籍を紹介します。
私の経験
私自身がタオの修練を志して初めて購入した本は「仙人になる法」「仙人瞑想法」でした。
当時10代前半で独学だったこともあり、気を感得して高めることは出来ても、それをコントロールする程意念の力が発達しておらず、小周天開通には至らりませんでした。
その後、「煉丹修養法」「築基参証」を参照して実践したところ、小周天が完成し煉精化気を達成、煉気化神に進んでいきました。
途中、様々な書籍を参照しましたが、修練の幹となっているのは上記の通りです。
その後は、「現代仙道百科」「五行帰一」「道学与仙学」等を良く参照していました。
現在は、本で学習することはほぼなくなり、自分自身の元伸、虚霊に導かれるままに修練しています。
煉精化気(小周天の完成)を独習可能な書籍
以下に紹介する書籍は、どれか一冊だけでも「煉精化気(小周天の完成)」まで達成することは十分可能です。どの書籍もそれなりのボリュームがあることと、書籍毎に修練方法や使用用語が違うので、1~2冊購入してまずはそこに書かれている内容を実践してみることをお勧めします。
「現代仙道百科」
日本で本場中国の正統な道統を継いでいる仙道連にて修練を積んだ小野田大蔵氏の著作です。百科というだけであり、修練に必要な項目はほぼ網羅されています。
特徴は、築基の項目に大きなウェイトを置いていることと、膨大な築基の修練の中で何を優先的に修練すれば良いのかを示してくれていくることです。
ただし、用語が独特なことと、膨大な知識の渦の中で迷子になる可能性があることには注意が必要です。
私自身は、修練がある程度進んだ後に購入したので、この本の通りには実践していません。一読した後は、たまに参照にする程度です。
しかし、現在私がタオについての知識や実践経験が無く、かつ、中国語読解の素養が無いと仮定した場合、一番初めに出会いたいのはこの本です。
初めからこの書籍の通りに行えば、煉気化神から結丹まで十分達成可能でしょう。独習者の方には最もお勧めできる本です。
「煉丹修養法」
私自身がタオの修練に開眼した本です。
本書は三部構成となっており、第一部は著者である伊藤光遠氏による煉丹法(=内丹術)の解説、第二部は中国内丹家のバイブルである柳華陽氏『金仙証論』の日本語訳、第三部は煉丹法の用語解説となっています。
核心は第二部あり、正に内丹術の秘伝が詰まっています。同時に、第三部で内丹術用語への理解が深まる点がポイントです。
ただし、昭和初期の本のために古文調の文体が人によっては読みにくいこと、内丹術の用語についての基礎的な理解が必要なことには注意が必要です。もっとも、後者に関しては、第三部の用語解説を適時参照すれば解決するでしょう。
難解な文章を物ともせず、煉丹の真実を知りたい方にはお勧めの一冊です。
「タオ人間医学」
世界的に有名な「ユニバーサルタオ」主催者である謝明徳氏の著書です。英語原版の日本語訳で、その為、かえって分かりやすくなっています。
著者の謝明徳氏は、タイ・チェンマイに「タオガーデン」という東西医療を融合したヘルスリゾートおよびスクールを作っており、世界中から生徒が習いに来ています。私自身も過去2回、約2週間滞在していますが、素晴らしい場所です。氏は、特に欧米系の方々に英語で指導してきた経験が長かったからか、難解なタオのストーリーを分かりやすく伝えることが得意です。
内容は、築基から小周天までを網羅しています。また、その続編として「五行帰一」という本で小周天の応用的修練法を紹介しており、継続的な修練が可能となっています。難解な内丹術用語をさらりと躱し、分かりやすく理解したい方にはお勧めです。
なお、著者のシリーズには、小周天までしか発刊されてなく、大周天以降のシリーズの日本語版は無いところが悔まれます。
因みに、日本語版の定価は8,800円ですが、英語版はやや安く、Kindle電子書籍化もされているので、英語読解が出来る方にはお勧めします。
「仙人になる法」「仙人瞑想法」
私自身が一番初めに参照した2冊。
日本に仙道内丹術を広めた功労者である高藤聡一郎氏の最初期の著作です。「築基参証」が主な元ネタとは思いますが、生理学、心理学を駆使して修練方法を分かり易く解説しています。
絶版本の為、新品での入手は困難な可能性がありますが、併せてお勧めできる本です。
その他、おすすめの参照書籍
以下に紹介する書籍は、「煉精化気(小周天の完成」を達成する為の書籍ではなく、一読すると修練の参考になるという意味での良書ばかりです。
「五行帰一」
先に紹介した「タオ人間医学」の続編。小周天の応用的なトレーニングが紹介されています。
絶版本のため、新品での入手は困難だと思います。英語版は現在も販売中です。
「気の輝きに包まれて」
タオ・プレイスを主宰する島田明徳氏の著作。実践経験に裏打ちされたタオの世界観の解説は圧巻です。
こちらも絶版本です。
「気功―その思想と実践」
廖赤虹氏, 廖赤陽氏の共著。正統派の修練法を一通り概括できます。
「悠かなる虚空への道」
先に紹介した「仙人になる法」「仙人瞑想法」の著者である高藤聡一郎氏の著書。
氏の修練の果てにたどり着いた境地を述べている点、仙道内丹術とその他の神秘行法を対比して説明してくれている点等、大変勉強になります。
絶版本の為、新品での入手は困難だと思います。