今回は、仙道内丹術で扱う、「氣」と「三宝」という概念について紹介いたします。
気とは何か?
「気」とは、広い意味では、この宇宙に存在するエネルギーの全体を表す概念です。
古代中国では、現代のようにな科学はありませんでした。
でも、この世の中を動かしている何か良く分からないエネルギーについては認識していました。
その良く分からないエネルギーのことを総称して「気」と呼んだのだと推測されます。
気は存在するのか?
物理学の世界では、全宇宙を構成するものを「物質」「暗黒物質(ダークマター)」「暗黒エネルギー(ダークエネルギー)」の3つの種類に分けています。
そして、その3つは、以下の割合だと言われています。
なお、「暗黒」「ダーク」とは、悪いとかの意味ではなく、「良く分からないもの」という意味だと思って下さい。
・物質:5%
・暗黒物質(ダークマター):25%
・暗黒エネルギー(ダークエネルギー):68%
物理学の世界で分かっている物質は、全宇宙の構成要素の内5%しかなく、残りの95%は何だか分からないもので構成されているのです。
そして、その何だか分からないもののうち、25%は物質であることが分かっており、残りの68%は物質なのか何なのかすら分からないもので構成されています。
ここから、良く分からないエネルギー=「気」の存在を否定することができないと思います。
そして、タオの世界観では、その全てのエネルギーを総称して、「気」と呼んでいたのだと考えられます。
広義の「気」と狭義の「気」
広義:宇宙のエネルギー全般。生まれながら持っているエネルギー
狭義:人体内のエネルギー。「精気神」三宝の要素のひとつ
先天の気と後天の気とは
タオでは、便宜上、人体の気を「先天の気」と「後天の気」の二つに分けて考えています。
先天の気
生命誕生に関わるエネルギーです。
生まれた後は、発動せず自分の中に眠っていることが多いです。
タオでは、この眠っているエネルギーを目覚めさせ、宇宙のエネルギーと共鳴させることが修練の大きなステップとなっています
後天の気
通常の生命活動に必要なエネルギーです。
主に呼吸、飲食などから取り入れます。
「三宝」って何?
タオの修練で扱う大切な概念に「精」「気」「神」があります。
「三宝」とは、大いなるタオのエネルギーである「氣」が変化して生まれたもので、「精」「気」「神」のことです。
人間は皆この三宝を持っています。
タオ仙道内丹術では、この三宝を一つにしていく修練を行います。
「精」って何?
「精」とは、精力のことです。
これが形を持つと、男性だと精子に、女性だと卵子になります。
「気」って何?
「気」とは精神力のことです。一般的な意味での元気とも言い換えられます。
この「気」が感覚と捉えられるようになったものを「陽気」と呼びます。
「神」って何?
「神」とは、霊魂まは霊能のことです。
これが、意識に上るようになると意念となります。