ここでは、今後のタオの修練の初歩である「築基」の修練を紹介いたします。
築基とは、文字通り基礎を築く段階のことです。
初歩の基礎固めとはいえ、ここで強固な土台を作っておくことを怠ると、後々修練が停滞することがあります。
私はこの段階を軽視していたため、気が勝手に暴走する「偏差」により修練を一時中断したせざるを得なかったことがあります。
読者の方は、そうならないようにこの段階を大切にして頂ければと思います。
目次
築基って何?
築基とは、今後の修練の基礎固めをする段階です。
築基の目的は何?
築基の目的は、今後の修練の基礎固めをすることです。
私の経験上、このステップの本質は以下となります。
築基の本質
気を感じること
気を高めること
気をコントロールすること
気を蓄えること
築基の効果は何?
築基を実践することの効果は、体質改善、体質増強にあります。
それは、精神力強化、体力増進、知力増進を促します。
築基の完成は、「小周天の開通」と「小薬の発生」ですが、その状況になるとどのようになるかを許進忠老子が著した「築基参証」から引用いたします。
- 小薬を得て身体に沿って巡らせた後は、汚いもの、生臭い物を最も嫌い、嗅覚が極端に鋭敏になる。
- 諸々の情欲が起こっても、次第に心を動かさなくなる。
- 暑さ寒さに対する抵抗力が増し、冬は綿入りの掛け布団がいらなくなる。
- 皮膚はしっとりとして、やがてきめ細かく艶がでる。
- 身体は常に調子がよく感じられ、生臭物を嫌う。食べる量は減少しても、体力は増大する。
- 視力、聴力は増し、老化による視聴障害をなくすことができる。眼力は増し、ますます眼光を湛えるようになる。
- 睡眠する時は次第にぼんやりしなくなり、時間が減るが、意識はすっきりする。
- 体の一挙一動が軽くなる。
- 睾丸は少しずつ収縮し、また性行為の際にはわずかに気が出るだけである。これ以上修行を進めないならば、次第に気が精液になって出るようになる。
- 修行がこの段階に達するだけでも身体の精力は充実するが、さらにもう一歩進むことができれば、仙人の段階に並ぶことができるだろう。
- この後の修行は、熟達した人の指導にしたがって進めていかなくてはならない。もしこれ以上深入りしたくなければ静坐する時間を少なくし、静坐する前の普通の状態に戻りたければ俗人の様に気を消耗すればよい。
- その他静坐中に理解できない慧力(訳者注: 仏教語。広く知恵の力を指す)や、修行による生理的な現象が発生しても、決して軽々しく言いふらしてはならない。おかしなことに出会ったら、慌てて医者を探して診てもらうようなことは避け、熟達した人に指導してもらうべきである。
築基の修練内容はどんなものがあるの?
心を鍛える性功と体を鍛える命功を行います。
心の修練(性功)
タオの古典を読み、理解し、実生活で実践します。
「老子道徳経」と「荘子」が必読書となります。
体の修練(命功)
静功である瞑想の初歩を行います。
具体的には、呼吸法を重視した瞑想です。
また、動功で今後の修練に耐えうる体づくりを行います。
具体的には、気功法や導引法を行います。
築基の注意点は何?
少ない時間で良いので毎日行うことが大切です。