調身、調息、調心(三調)

この記事では、タオの修練において重視される三調/調身、調息、調心について解説します。

目次

「調身、調息、調心(三調)」とは

調身、調息、調心を「三調」とよびます。

「意念」で持って意識的に体、呼吸、心を調えていきます。

実際には、3つは別個独立したものではなく、体が調えば自然と呼吸も落ち着き、心も静まるというように、相互に関係しあったものです。

この名称は、もともと仏教天台宗の智顎和尚(隋代)の『童蒙止観』の書からきたものと言われています。和尚は、「止観法」の鍛練を行うとき、五つの面の調整と練習――「三調」プラス睡眠と飲食物の調整――に注意を払わなければばらないと主張しました。その後、修練法の実践の中で、この三調は、止観法から気功全体の内容にまで広がっていったという経緯があります。

調身

調身は、体を調えることです。

それによって、体の程よいリラックス状態である「放鬆」に入っていきます。

導引や動功で体をの基盤を作ること、また、瞑想時に体の姿勢を調えることなどを意味します。

調息

調息は、呼吸を調えることです。

具体的には「吐納法」の納気法や吐気法で呼吸を鍛えていきます。

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調心

調心は、心を調えることです。

それによって、頭の程よいリラックス状態「入静」に入っていきます。

身調、息調、心調(三調の発展)

文字を逆にしただけですが、意味が大幅に違います。

主語が何か、自動詞か他動詞か、そして、目的語が有るか無いかが違います。

先程までの「三調」で「調身」を例にすると、中国語の語順では、「私が+身を+(意識的に)調える」という意味になります。

しかし、「身調」は、「身が+(自然に)調う」という意味になります。

つまり、意識的にそうしなくても自然に調うという点がポイントです。

この段階は、修練全体像から見ると、「煉気化神」の段階以降に相当します。

なので、「煉精化気」以前の小周天が完成していない方は、焦って求めないほうが良いです。

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身調

体が自然と調う

息調

呼吸が自然と調う

心調

心が自然と調う

まとめ

  • 「調身、調息、調心(三調)」とは意識的に体、呼吸、心を調えることで、煉精化気以前の段階の修練
  • 「身調、息調、心調」とは、無意識に自然と体、呼吸、心が調うことで、煉気化神以降の修練段階で現れる
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