この記事では、タオの修練の重要概念のひとつである「性命双修」について解説します。
目次
性とは
この場合の「性」とは精神活動の基礎となるものという意味です。
心、意識、思考、感情を含み、それを生み出す何かです。
内丹術の用語の「精気神」でいう「神」に相当します。
命とは
この場合の「命」とは、人体の機能活動基礎となるものという意味です。
肉体的な構造、働き全般を指し、それを生み出す何かです。
内丹術の用語の「精気神」でいう「精気」に相当します。
性命双修とは
心と肉体を同時に修練しましょう、という意味です。
つまり、心と体は密接不可分だからどちらに偏ってもいけませんよ、という意味です。
日本語にある言葉としては、心身一如という意味が近いと思います。
文武両道もその発現という意味で近いでしょう。
古典の見解
古典の見解を紹介します。どれも上記で紹介した意味と相違ありません。
『黄帝内経』
陰陽は対立するという古代の素朴な観点に立って、「形は陰で神は陽」
『内経』
「精神の働きは形体に生まれ、また同時に、逆に形体に働きかけ
る。したがって両者はきり離すことができず、相反し相成っている」
『玄膚論』
「性則ち神なり、命則ち精と気なりJ
『大丹直指』
「性は天なり、常に頭に潜む。命は地なり、常に臍に潜む。頂は性根なり、臍は命帝なり」
『遵生八箋』
「性根、即ち上丹田。命帝、即ち下丹田」